相棒と、博物館に忍び込む。窓が高い位置にあり、足がひっかかり慌てる。
上を見上げると巨大な吹き抜けにステンドグラスと、樹の足場が延々と組まれている。
外に出ると、空は薔薇色の雲に覆われており、道路の至る所に置かれた青い携帯プール
から、鯨やシャチが空に躍り上がる。

リディック

まっすぐなスペースオペラ映画はスターウオーズ以来で、中々楽しめました。
最初に、「これは悪の軍団で…この人が悪の帝王です。」わかりやすい!
予算に似合わない、漂う、B級ぽさ(パンフにも書いてあります)が懐かしくてよい。
−300℃〜700℃の惑星を薄着で走り抜ける豪快さは素晴らしいです。
ラストは某ゲームの「これで私が〜エンド」そのもので笑いました。

駅に向かって降りていくと、まるで咆哮のように蝉の声が押し寄せてきます。
くっきりと、風景は分かれていて、近くにはヒマワリ、中間には街、
一番遠くには、山々が霞んで見えます。
まるで箱庭のようで、世界はそこで終わりだという気がします。
夏と、ループ物の相性が良いのは、この非現実的な感じから来ているのでしょうか。


クロスチャンネル」では、舞台のセットのように橋のこちら側
だけが存在するようで、そこからそこに出たものは退場…という扱いに
なっていました。夏は、色々なものが造り物のようです。
これがもっと一年中溶けるように暑くて、
なにもかもチャンプルーみたいにぐだぐだに溶けると
風車祭(カジマヤー)」みたいな妙な話になるのでしょう。


帰りがけ、夕方だと言うのに、ぽつんと白く羽化し立ての蝉が混じっていました。
暑いと蝉も混乱するのかも知れない。

新本格魔法少女りすか 西尾維新 講談ノベルズ

読みやすいし、テンポが良く、作者に勢いがありますね。「新本格
とあってもミステリらしき所はほんの少しで、ジョジョの奇妙な冒
険のような話です。(戦いの駆け引きとか)
なんだか、あちこち切っていてとても痛そう。


トンデモ本?違う、SFだ! 山本弘 洋泉社

著者が熱く「自分にとっての」ベストSFについて語る本。現在では
入手困難な本も多いですが探してまで読みたくなる良作ぞろいです。

やっぱりホラ話を科学の力で捻じ伏せるのだ!というのがSFの醍醐
味と思います。