駅に向かって降りていくと、まるで咆哮のように蝉の声が押し寄せてきます。
くっきりと、風景は分かれていて、近くにはヒマワリ、中間には街、
一番遠くには、山々が霞んで見えます。
まるで箱庭のようで、世界はそこで終わりだという気がします。
夏と、ループ物の相性が良いのは、この非現実的な感じから来ているのでしょうか。


クロスチャンネル」では、舞台のセットのように橋のこちら側
だけが存在するようで、そこからそこに出たものは退場…という扱いに
なっていました。夏は、色々なものが造り物のようです。
これがもっと一年中溶けるように暑くて、
なにもかもチャンプルーみたいにぐだぐだに溶けると
風車祭(カジマヤー)」みたいな妙な話になるのでしょう。


帰りがけ、夕方だと言うのに、ぽつんと白く羽化し立ての蝉が混じっていました。
暑いと蝉も混乱するのかも知れない。